今さら聞けない?電力自由化で新電力事業者に変えても大丈夫なの?

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地震対策jpでは生活インフラなどについてもご紹介していきます。まずは電力自由化についてです。

電力自由化という言葉は聞いたことがあるけど今までとどう変わるのか、今さら誰にも聞けないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。初めての方にも分かりやすくご説明していきます。まずは電力自由化とは何なのか、どう生活が変わるのかからご紹介していきます。

今さら聞けない?電力自由化で新電力事業者に変えても大丈夫なの?

電力自由化とは

電力自由化とは、一言で言ってしまうと、好きな電力会社から電気を買って使うことが出来るようになったことを言います。電力自由化の経緯は次の通りです。

従来、私たちは東京電力や関西電力のような地域の大手電力会社(一般電気事業者)の電気を使うしかありませんでした。

そんななか1995年にエネルギーに関する規制緩和を受けて電気事業法が改正され、電力会社に電力を供給する独立系発電事業者(IPP:Independent Power Producer)の参入が可能になりました。その後1999年の電気事業法の改正で、翌2000年から工場などの大口需要家に限定した電力自由化が一部認められました。

さらに2011年の東日本大震災をきっかけに電力などのエネルギーに国民の関心が高まり、2014年の法改正で一般家庭を含めた電力自由化への取り組みが進み、実際には2016年4月より一般家庭向けの電力自由化がスタートしました。

電力自由化により、電気やガスなどのエネルギー会社、通信会社、商社、メーカーなど幅広い分野の会社が参入して、100社以上の新電力(PPS)と呼ばれる小売電気事業者に登録された事業者が誕生しています。

ちなみに新電力事業者は、自ら発電施設を持つものから、発電施設を持たずに他社から電気を仕入れて販売するものまでいます。小売電気事業者なわけですから、仕入れて小売りをするのは全く問題ないのです。

電力自由化で新電力の電気は安心して使えるの?

これまで地域の大手電力会社(東京電力や関西電力など)が独占的に販売・提供してきた電気を、新電力事業者に切り替えた場合に一番心配なのが電気の安定供給ですよね。

まず、新電力事業者はどんな会社でもなれるわけではなく、責任を持って電気を販売し続けることができるかといった国の審査を合格した会社だけが小売り電気事業者として登録することができます。

また、どの新電力事業者を選んだとしても、電線などの送電インフラ設備は従来の地域の電力会社のものを使って電気が家庭に供給されます。その送電設備には各電力会社の提供する電気が混ざった状態で送られてきます。そのため電気の供給を受けるための何らかの電気工事などが必要な場合は、従来の地域の電力会社が行います。

もしも契約した新電力事業者の発電量及び提供量が不足してしまったとしても従来の地域の電力会社(東京電力や関西電力など)が不足分を補うことになっているため、停電や供給不足になることはありません。

また万が一、契約している新電力事業者が倒産や事業撤退をしたとしても電気供給が止まらないよう、従来の地域の電力会社(東京電力や関西電力など)が電気供給を続けるよう義務づけられています。

電力自由化で電気料金は安くなるの?

日本よりも先に電力自由化を行ったイギリスでは電気料金が値上がりしました。日本はこうなることのないよう従来の国が定めた電気料金を残しながら、市場競争により低価格を実現できるようにされています。

新電力事業者によっては、単純に従来の大手電力会社よりも低価格にするものもあれば、何か他のサービスとセットで使うことで割引きが行われるなどのメリットを提供している会社もあります。

例えば都市ガスとセットで使うと割引きになる東京ガスや、ガソリンが安くなるENEOSでんき(JXTGエネルギー)、携帯電話の利用者向けに割安な電気を販売するauでんきなどがあります。

また電気消費量の多い家庭向けの料金プランや、時間帯によって従量料金が安くなる料金プラン、基本料金がゼロ円のプランなどがあります。ご自分の利用方法にあった料金プランを選ぶと従来よりお得になるかもしれません。

ただし、電気使用量が多いオール家電住宅や、逆に一人暮らしのように電気使用量が少ないご家庭の場合は、料金プランをよく選ばないと従来より割高になる場合がありますのでお気を付け下さい。

電力自由化はお金だけじゃないメリットがある?

発電方法といえば、火力発電・水力発電・原子力発電・太陽光発電や風力発電などの自然エネルギー(再生可能エネルギー)がありますが、新電力事業者が公表している「電源構成」に注目したいと思います。この電源構成を見ることで自分が使う電気がどんな発電方法で作られているか知ることが出来、それをもとに新電力事業者を選ぶことができるのです。

新電力事業者によってはCO2排出量を公表しているため、値下げや料金割引だけでなく、環境面から新電力事業者を選んでもいいですね。※ただし電源構成やCO2排出量は公表義務はありませんので非公表な場合があります。

例えば「地球環境のことを考えて、CO2排出係数が少ない又はゼロの電気を使いたい」と言う方もいらっしゃると思います。そんな方には水力発電や自然エネルギーを多用して火力発電の割合が少ない新電力事業者を選ぶとよいでしょう。自然エネルギー100%の電気を小売りしている「グリーナでんき」(ネクストエナジー・アンド・リソース株式会社)もオススメです。

また「原子力発電で作った電気は使いたくない」という脱原発な方も、東京ガス・昭和シェル石油・ENEOSでんき・大阪ガスなどのように、自社の火力発電所を発電のメインとしている新電力事業者を選ぶことにより、ほぼ100%が火力発電(バイオマス発電含む)の電気を使うことができます。
※電気は混ざって供給されますので、本当に100%原子力フリーの電気を使うことはできません。

新電力のデメリット

現時点ではデメリットらしいデメリットはありません。強いて挙げるとしたら次の通りです。

・電気の使い方と料金プランによっては従来より割高になる場合がある。
・支払い方法がクレジットカードだけの新電力がある。
・セット割りを利用している場合はそのサービスを止めづらくなる。
・一定期間内で止めると解約金違約金が発生する場合がある。
・請求書(検針票)が原則オンライン版のみになり、紙で発行するには有料となる場合がある。

いずれも事前に確認すればいいことですので、問題なくクリアな方が多いと思います。

新電力事業者一覧リスト(一部。50音順)

eo電気(ケイ・オプティコム) イーレックス・スパーク・マーケティング イデックスでんき(新出光) イワタニでんき(イワタニ関東) イワタニでんき(イワタニ首都圏) HTBエナジー auでんき(KDDI) エゾデン ENEOSでんき エネさんでんき(エネサンス関東) エルピオでんき 青梅ガス 大垣ガス 大阪ガス 角栄ガス 九電みらいエナジー グリーナでんき 京葉ガス シン・エナジー コープのでんき トドック電力 サーラeエナジー サイサン 西部ガス サンリンでんき J:COM 電力 SHIZGASでんき(静岡ガス&パワー) じぶん電力(日本エコシステム) 湘南のでんき(湘南電力) 昭和シェル石油 須賀川瓦斯 スマートでんき スマイルパワー(藤田商店) スマ電(アイ・グリッド・ソリューションズ) ソフトバンクでんき DAITOでんき(大東ガス) 東急でんき 東京ガス 東邦ガス 長崎地域電力 ならでん(奈良電力) ナンワエナジー @niftyでんき(ニフティ) はなカメくん電気 ハルエネでんき 北海道ガス 坊っちゃん電力 まちエネ 丸紅新電力 ミツウロコグリーンエネルギー 水戸電力 みやまんでんき(みやまスマートエネルギー) ミライフでんき ヤマダのでんき(ヤマダ電機) まちでんき(楽天) Looopでんき eコトでんき!(伊藤忠エネクスホームライフ関東) エネット F-Power 大阪いずみ市民生活協同組合 みらい電力 みんな電力

まとめ

電力自由化により電気を選ぶことができるようになったのは消費者としてありがたいことですね。

電力自由化のメリットをまとめると大きく3つになります。

1.単体又は他サービスとのセット割りで電気代を安くすることができる。
2.ご利用方法や使う時間帯によってお得な料金プランを選んで電気代を安くすることができる。
3.自分が使う電気の主な発電方法を選ぶことができる。

新電力事業者の参入により従来の大手電力会社もサービスや料金プランを充実させている傾向にあります。
従来の大手電力会社から新電力事業者に変更しない方も、これを機会に料金プランを検討してみてはいかがでしょうか。

なお、都市ガスについても同様に自由化となりました。こちらについてはいずれご紹介したいと思います。

 

以上、最後までご覧下さり誠にありがとうございました。

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