首相官邸のホームページでは「地震による被害には、津波を除けば、建物倒壊、火災の発生、土砂崩れ、液状化現象などがあります。」としています。ただし「あなたならどうする?東京都内に津波が襲ってきたらどこに逃げるべきか」にも書いたように東京に津波の影響がある可能性は充分ありますので、水害にも注意が必要です。
被害が想定できるなら、なるべくリスクの少ない避難行動をしたいですよね。そこで登場するのがハザードマップです。この記事ではこれら様々なリスクに関して、政府や自治体が発表しているハザードマップをそれぞれご紹介していきたいと思います。
東京に大地震が来たらどうする?都内23区のハザードマップをまとめてみた
都内の総合危険度(建物倒壊・火災)ハザードマップ
東京都都市整備局が発表した「地震に関する地域危険度測定調査(第8回)」によって、都内の市街化区域の5,177町丁目について、各地域における地震に関する危険性を、建物倒壊危険度、火災危険度に加えて、前回から測定を始めた災害時活動困難度を加味し、総合危険度について測定しています。
危険度の判定には次のような要素を元にしていて、町丁目ごとの危険性の度合いを5つのランクに分けて、以下ように相対的に評価しています。
●建物倒壊危険度(建物倒壊の危険性)
●火災危険度(火災の発生による延焼の危険性)
●総合危険度(上記2指標に災害時活動困難度を加味して総合化したもの)
これをみると荒川区・葛飾区・足立区・中野区・杉並区・大田区において総合危険度ランク5の地域が多く存在することが分かります。昔からの古い木造家屋が密集している地域なのではないかと思います。
東京都内の土砂災害ハザードマップ
都内の土砂災害リスクを理解するには、国土交通省ハザードマップポータルサイトの「重ねるハザードマップ」が便利です。平成30年6月8日にリリースされたばかりの新しいサイトで、スマホにも対応しています。
東京都内には特に山もないから土砂災害なんかないんじゃないか?と思いがちですが、意外と坂や傾斜はあるものです。画像の紫色の箇所が急傾斜地崩壊危険箇所とよばれる地域で、都内中心部から各所に渡って広がっています。
高台になっていて線路が走っている箇所についてはJRが土砂崩れや耐震のために工事をしていますが、手つかずのところもあるのではないでしょうか。お子さまの通学路や避難ルートが急傾斜地崩壊危険箇所になっていないか確認しておきたいものです。
東京都内の洪水ハザードマップ
大雨豪雨や、大地震による河川及び地下鉄トンネル逆流による洪水も注意が必要です。同じく国土交通省ハザードマップポータルサイトの「重ねるハザードマップ」で確認することが出来ます。
別の記事にも書きましたが、荒川区葛飾区のあたりは被害が甚大になることが予想されます。画像の赤い部分は水没5〜10mと予想されています。
東京都内の液状化現象ハザードマップ
地震によって地面が液状化してしまう現象がありますが、こちらのハザードマップもあります。東京都土木技術支援・人材育成センターが発表した「東京の液状化予測図」です。関東大震災の揺れを想定して作られています。
画像では西側は全て緑色(液状化の可能性が少ない)のため省略していますが、港区・江東区・大田区といった埋め立て地をはじめ、荒川区・江戸川区・葛飾区などの隅田川沿いが多く指摘されていますね。液状化現象が起こると地盤沈下や家屋倒壊の恐れがあります。
東京都内の避難場所等のマップ
上記ではハザードマップばかりでしたので、今度は東京都都市整備局が発表した「避難場所等の概要」でご紹介されている比較的安全な場所マップです。
まず「避難場所」ですが、東京都区部の避難場所は地震火災から住民の生命を守るため、火災が鎮火するまで待つ場所として213カ所を指定しています。
次に「地区内残留地区」とは、地区の不燃化が進んでおり、万が一火災が発生しても、地区内に大規模な延焼火災のおそれがなく、広域的な避難を要しない区域として、37箇所、約11,100haを指定しています。千代田区を中心に東京湾沿いが多く指定されていますね。
サイトでは23区別の詳しい避難場所等指定図も観ることが出来ます。
http://www.toshiseibi.metro.tokyo.jp/bosai/hinan/hinan01.htm
まとめ
今回調べてみて、普段行くところが意外とヤバいことを痛感しました。。。
危険な場所や安全な場所について、ご自宅だけでなく通勤通学経路、よく遊びに行く場所も含めて事前の確認が非常に大切だと思います。もちろんご家族の分すべて調べておくと安心ですね。
以上、最後までご覧下さり誠にありがとうございました。