実際に大災害に襲われたことのない方であっても、テレビのニュース速報なんかで「避難勧告」「避難指示」といった言葉を見たことがあると思います。
まあ避難しろってことなんだろうなあ、とぼんやりは理解出来ているのですが、そもそも「避難勧告」「避難指示」ってどう違うのでしょうか。さらに「避難命令」なんて言葉もあったような?
いまいち危険度レベルの違いが分からないので、いざ自分の地域に発令されたらどうしたらいいか分からない方が多いと思いましたので調べてみました。
どう違うの?「避難勧告」「避難指示」「避難命令」の意味について調べてみた
「避難勧告」「避難指示」「避難命令」の違い
「避難勧告」「避難指示」は、津波・台風・洪水・土砂災害・火山噴火・大規模火災・原子力災害などの大災害が発生した際に、被害が及ぶ地域住民に対して発令されるものです。地震による「避難勧告」「避難指示」は急すぎるため存在しませんが、その後の二次被害に対して発令されることがあります。
「避難勧告」は、災害による被害が発生する恐れのある場合に発令されるもので、市区町村長が対象地域の住民に安全な場所への避難を勧め促すものです。これは災害対策基本法60条に基づく発令であって、避難しないからといって法的な強制力や罰則はありません。
「避難指示」は、「避難勧告」よりも切迫した状態で、「避難勧告」後に状況がさらに悪化した場合や危険性が非常に高まった場合に発令されます。こちらも避難勧告と同様に避難しないからといって違法ではありませんが、指示するってくらいですから直ちに避難しなければならない状態だとお考え下さい。
つまり、勧告よりも指示の方がヤバい。そう覚えて下さい。
ちなみに「避難準備・高齢者等避難開始(旧避難準備情報)」というものもあって、これは「避難勧告」「避難指示」が発令されることが予想される場合、乳幼児や高齢者、入院患者、障がい者の方といった災害弱者を早めに避難させるために前もって発令されるものとなります。当初は「避難準備情報」という名称でしたが、分かりにくいと言うことで2016年12月26日より「避難準備・高齢者等避難開始」に名称が変更されました。保育園や学校、病院、福祉事務所などの関係者は特に注意したい情報ですね。
「避難命令」は、さらにさらにヤバい状態です。該当地区域に居住・滞在している全ての人間は避難しなければならない強制力を持った命令で、従わない場合は身柄を拘束の上での強制避難や、罰則が科せられることもあります。
ただし、日本には「避難命令」という制度はなく、あくまで運用上の呼称となります。実際には避難指示区域や警戒区域への立入りに罰則を定めた「警戒区域指定」に抵触することが避難命令に該当します。
実際に避難命令が運用された例としては、2011年3月11日の東日本大震災で大津波警報が出された地域で「逃げて下さい」ではなく「逃げなさい!」と命令口調で呼びかけをしたことで緊急性を伝えて被害者を抑えることができたと言われています。
まとめ
まとめると「逃げる準備をして下さい」という避難準備・高齢者等避難開始、「逃げた方がいいですよ」という避難勧告、「逃げて下さい」という避難指示、「逃げろ!」という避難命令となります。
日頃からハザードマップを見ておいて避難ルートや避難場所を確認しておき、避難情報が出たらご家族の状況を見ながらすみやかに避難できるよう心がけておきましょう。
以上、最後までご覧下さり誠にありがとうございました。